地球社会における新文明への耕作活動へ

日本の国際貢献 Japan's international contribution

普遍化のすすめ

第5章 地球人類に関する扇形構造と循環構造

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1.仮説設定による構造的理解

 最近の科学的と見なされている数量的、実証的な対象(自然科学、社会科学、人間科学)への接近方法が、真理に到達できる唯一絶対の方法であるという考え方は、必ずしも賢明なものではないように思います。
 20世紀後半からの科学技術による物的かつ社会的な利便性から発した価値観の変貌は目を見張るばかりですが、世間の態勢は、この変化を受けて物的領域に埋没し科学技術の行き先を制御すべき思想を失っています。この事態に酔いしれているばかりでは問題が残ります。われわれの心の生活は疲弊し、われわれの住む環境を破壊してしまうでしょう。今こそ、人類の英知が働いて革新を続ける科学技術を制御しなければなりません。

 科学技術は更に数世紀の間も進展し続けるでしょうし、人類にとってそうであるべきであると思いますが、この所見られる応用科学的な成果ばかりではなく、人間にとって本質的な部分に関わる画期的な発明はあまり見られていません。ここにも幾つかの理由はあるでしょうが、その殆どが物的世界に思考や認識が埋もれてしまったことに理由が集中するように思います。

 この様に、いわゆる「科学的方法」の絶対化によって阻害されていた感性的、体験的、直観的認識の重要性を認知する行為もたいへん重要で、科学的方法の否定ではなく双方の必要性を説く人たちもいます。即ち、現存する科学を可能な最大速度で知識を生産していく自己増殖的な営みとして理解し、それを可能とするのが科学的方法であると考える人たちもいますが、一方では、科学者としての認識や関心ある事項と、人間としてのそれとが一体化するような認識が必要で、直観と経験則にもとづく非言語的認識が重視されるべきであるとする人達もいます。

 しかし、私たちは、むしろ積極的に科学的方法をとりながら、「万物の存在と循環のしくみ」について、幾つかのありそうな、そしてあくまで仮説法則の設定によって演繹的に再構築することによって人類の位置つけと包括的理解に進むべきと考えます。更にこれを科学的方法によって検証する過程に徐々に入ってゆくために、敢えて未知な領域にも踏み込む躊躇をなくす姿勢とこのことを公認する立場が必要になっていると思います。
 その実現を図るため私たちは、人類という未知領域を先述の「思考構造体モデルと具象構造体モデル」によって再構築し、その主な扇形要因に関する「循環モデル」を一つの仮説として設定し、人類における生成発展の行程を概観することを容易にし、かつ扇形要因間の因果関係を理解しやすくすることが、われわれにとって極めて重要な時期に至っていることを思うのです。


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