地球社会における新文明への耕作活動へ

日本の国際貢献 Japan's international contribution

地球人類社会の未来像と日本の国際貢献について、深く考えるべき時機です。

はじめに

日本の国際貢献について改めて、考えてみなければならない時が来ています。成熟したと言われる日米の両国関係は新しいフェーズに進み、新しい形の共同活動を進める時期が熟しています。そして又、新しい仲間との関係についても、改めて考えてみる時機が来ているように思います。

地球人類は物的領域に関する科学技術的な進歩によって惑星的な長さにわたった「動物惑星」の時代を少しずつ、ゆっくりではありますが終息に向かわせており、先進諸国では生きるために費やす時間を可能な限り縮小して内的生活を豊かにし、太陽系宇宙を常に意識に乗せる「人間惑星」の時代に始めての内的な第一歩を踏み出せそうに思える時もたまにはある様になりました。

人類史的な長さの間に自ら体験して獲得した形質は、個別の特性ある人格を形成し、時代の示す条件に適応するかしないかによって、様々な評価を手にしています。この個人的な獲得形質は、一つの家系に止まらず、民族や国家についても長期的な繰り返しを続け、伝統的風土の特性となって家系にも民族にも、国家にも誇りと愛着をもたらしています。

これら国家や国民のもつ伝統的かつ社会的な精神的風土は、国民とか民族とかではなく地球人類社会の構成員として対比するとき、大きな特徴的特性を持っていることに気づきます。この特徴は、人間の進化に必要な循環する時代の放つ基本波動の激変によって、分担すべき役割の相当大きな変化を引き起こしています。そして他方では帰属集団が期待する利益を背景に追求している国益は、個別益に潜んで留まることを知らない貪欲性を、正当化しているのが一般的風潮でもあります。

このような国際的風潮は、人間自らの尊厳ある役割を確認する人々を考え込ませ、地球という生命体に拡大してしまった集団的立場を自ら崩壊させる遠因ともなって、人間惑星の「地球人類社会」を意義あるものとするための、今までとは異なる広域を対象とする「公の父性」による制御を必須のものとする背景を造っています。地球人類社会を構成する国家や国民の意識段階の向上が自律的な制御を可能とするまでは、人間惑星のための究極の智慧とも言える「公の父性」の段階的かつ政策的な展開を、ぜひとも必要としているのであります。

この与えられた状況のもとにある国家群がどのような行動基準にもとづいて行動するかによって、さまざまな解の概念は生まれますが、地球生命体の上にあるどのような提携をとってみても,その提携する国家の受けとる利得の和がその提携値の総和を超えているような利益分配の集合をコア(*13)といい、市場取引の結果はコアに属することがよく知られています。しかしそこに観察されるものは有限の社会という理解の中では決して望ましい結末を生まないように思われます。

そして国益への模索から発する望ましくない結末に対処して、我々自身が自律すべき考え直しの貴重な時間と、地域占用の各国民の進化のための多様性を活かすための時間とを、それぞれに提供するための貴重な基金や制度と充分な期間とが必須であることについて深く考えるべき刻が来たと思うのであります。日本は、そのために貢献する多くの特徴的特性を持っていると思います。