日本の貢献
『5』日本の貢献!
P15
■融合による「正義と尊厳ある人間環境モデル」の構築
人間にとっては全く当然のことでありながら、現実には達成できていない尊厳と正義によって運営される社会を、誰もが心から望んでいることは間違いありません。しかしながら現実は、例えばブローバックと呼ばれる現象のように、様々な国際政治的な意図によって行われた政治的工作などの行為から、意図しなかった副産物を投げ返されて居丈高になっている国際社会の実情を垣間見るだけでも、誰しもが納得できる国際的な正義が実現するなどということは生易しいものではなく、その実現は今なお相当先のことであり、殆ど出来ないことのように誰もが思っています。
しかし、それは本当にほど遠いことなのでしょうか。それは誰もが具体的に描けない夢なのでしょうか。新しい世紀を迎えて徐々に変質しつつある時代の波動を受けて、改めて人間という存在の本質を問い直すように、自らを含めて人間をしっかり考えてみる時期にきたのではないかと思います。今は、人間としての現状に心痛める日々の続く市民たちにとっては、描ける夢が描けないほどに、ある種の絶望によって心が覆い尽くされて、人間という本質に立ち返ってする判断を忘れているからだと思うのであります。
この状態を、地域に夢を実現しようとして幾多の経験に支えられた慣れた方法から読み解くといたしますと、人類の夢の具体的なシナリオ別の計画と実現のための現実的な対策を詳細にまで立案し、コンセプト・ワークから科学的詳細の詳細まで描き切って、その実現のための決意を表明していないだけのことではないかと思うのであります。そして、その夢の実現のためのプライオリティを定めて、公にコミットメントしていないだけのことではないかとも思うのであります。
この状況は振り返ってみれば、日本のバブル崩壊後の首都を除く殆どのまちで起きているありふれた風景にしか過ぎません。そこには視点を激変させて夢を描ききれない専門家と思いまどう市民たちの姿が,各地に見られる風情と重なって見えてきますし、日本のまちつくりに起きている程度のことならば、覚悟をすれば地球再生についても充分に立ち上がれることであるという想いが募ってくるように思います。
成功するまちつくりについて語られるとき、市民の夢を描ききり、果たすべき夢の構成因子のプライオリティを定めて、それを実現するつよい意志を公に宣言することは、最も重要な要素になります。こうして正義と尊厳ある新しい価値観の実像が世界を覆うとき、人間として制御されるべき貪欲との決別が進むときがくるのであります。
人類史から見てほんの少し先行したという特権によってのみ今日、地球資源の大きな部分を貪りつつも、全く不必要な死を放置し、人間の心を蝕んでいる余りにも不寛容で、自分勝手な人々の心が消え去るときを、私たちは天の時を待つだけでなく、人間像らしい人間の本質に帰り、恐れることなく自分の手で創り出さねばならないのであります。
より小さく、より弱い民族やその領土そして資源を支配し、これらの凡てを圧制下におき搾取しようとする貪欲性は、時代のもたらす波動によって徐々に徐々に展開をすすめ、もはやその基盤を失って永遠に消え去るときが来ると思います。その代わりに、新しい現実感が、凡ての人間と人間との連結性と、相互の権利と義務について新認識が生まれるときがくると思われます。人々と民族国家とは公の父性に基づいて、そして凡ての人間のための平和と進歩を可能とする必要条件に基づいて生きることが求められます。
一方、現在までの永い人類の生活史における様々な事象を、構成する主成分に解析して、得られた要因のうちから対立因子等を抽出し、この対立因子を融合させて新しい事象を創造することは、多くの可能性をもたらすものとして有効な手段であります。そしてその方法はしばしば科学的先進性を持つものとして高く評価されてきました。
日本はうちに様々な意見を内包してはいますが、迷いつつも結果として融合の創造を選択し、国際社会に報酬を求めぬ貢献を果たそうとしたとき、ものいわぬ賛意でこれを歓迎してくれる国際的な空気を何となく感じているのも、いまの国際社会では夢のような一つの事実であります。
しかし、現象を解析して構成要素のシステムに再構成し、これを再現してシステムを理解するに留まらず、これを演繹し仮説を構築しつつ新因子の融合によって全く新しい創造に展開することは、システムの次元に関わる重要な革新を引き出す多次元性を潜在要素として、社会的貢献への大きな可能性を秘めています。そしてこれらの手法は、政治的、経済的な手法として様々な影響を世界の諸国に与えているし、これからは今までのような対立から生まれる新領域ではなく、融合による創造活動によって得られる新認識を進歩の糧として発展する人類に変化を続けてゆくものと思われます。
このような背景をもとに、人間として生きることを第1の誓いとし、貪欲に侵されない、素のまま心をもつ市民たちによって、尊厳ある人間として地球の視点から見た公の父性を遵守して生きることを宣言した、地域コミュニティの構築にあたることは、人類進化に向けた大きな前進であり、その成功する地域モデル事業として人類社会に提示し人間に勇気と夢を与えるという大きな貢献をするものと思われます。
人間の尊厳ある役割の実現のための正義ある秩序の形成に、効果的な貢献を果たすことをこころざす地域社会でもある都市モデル整備事業並びに序動のための必要な技術的、情報的そして資金的な支援を行う総合コーディネート事業に我が国はもちろん志ある国家は、国家群として国民の総力を挙げて貢献すべき時期にたち至ったものと思います。この事業を通じて行われる各種のモデル事業の成果によっては、新しい地球社会の在るべき具体像がより明らかになり、人間相互の共生のための精舎や僧伽のような規範の具体的なさだめ方モデルは次なる進歩に向けて大切な基盤となって貢献を見せるものと思われます。
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