地球社会における新文明への耕作活動へ

日本の国際貢献 Japan's international contribution

航図なき国際社会の“新フロンティア”-日本の国際貢献

3.細分化する扇形構造因子(参考資料)の接合点

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 未知の物質や出来事について特定の断面を各種の手法や多様な角度から切り取り、恰もMRIと言われる磁気共鳴映像法のように断面について分析し、解析結果を連続しつつ動きを解読して未知物質の存在や特性や機能を推理して、その分析結果が物語る世界を読みとって、その総合的成果を社会的に活用するというような創造活動は、多くの、いや殆どの組織的体系の解析に適用可能であります。即ち特定の目標を持って独立し有機的に存在する連携したシステムが、階層的にかつ領域的に有機的な機能を分担して成立しているはずの未知領域を解析し再構築を実現すれば、課題の中心に力ある接近が可能になることは確実であります。
 ある未知の自然との融合系、例えば自然の中に融合しようとして住む人間の居住環境を対象に、この融合系を思考の中に再現しようとする試みは未だ緒に就いたばかりではありますが、それなりの成果を上げつつあります。自然との融合系と限定してみるのは、対立して存在できるものがあったとしても、それが長く存在しているという保証が少ないからでもあります。
 特に有限の領域である地球環境が、人間の活用によって起きている様々な汚染によって臨界点を感じさせるようになった現在では、独立して活用される事物の未知領域よりも、自然との融合系をもって再構築する系を対象とした方が、理解が早いからでもあります。

 この様な自然と融合して行かざるを得ない立場から、人間が居住する自然環境を位置づけしようとすると、先ずは自然を理解して人の生きる役割を想定し、融合したり対立したりする分野を規定しなければなりません。この対立と融合の相互関係を有機的な繋がりの中で規定するには、それぞれの因子が円形に連担する扇形の因子となって、一定のルールに従って、ある目的を達成するために一つの有機的な繋がりを有する包括系を形成していると仮定することができますし、多くの事象や循環系さえも説明がしやすくなるようになります。

 この考え方について思考事例を重ねて、この方式を未知領域である複雑系に関する一つの思考構造体(パターン)と仮定し、多くの都市計画的な居住環境の事例に当たってみると、ある都市計画的扇形因子とある自然系の扇形因子との対立点が理解され易くなり、融合する因子間の感情的な受けとり方が理解しやすくなる例に出会うのが多くなります。
 言い換えれば、都市構造的課題と社会構造的課題とを、空間論や地域社会論という水準で討議するとき、価値観の相違からくる不毛の議論が継続しやすいのですが、当該都市の扇形構造を策定し構造因子として位置づけが理解されている道路体系と、同じように策定された扇形因子として位置つけられた生活圏域因子との関係を理解して都市構造総体のあり方を論議し、道路のあり方を考えた上で居住空間を討議するときは、誰しもが理解しやすく、感情的なしこりはなくなり論議はその本質に近づいてきます。(参考資料「普遍化のすすめ」参照 )

 この事例の様に都市構造論から都市の道路体系に対する生活圏のあり方や、更に上質な居住環境の配置計画の展開手法などの詳細計画を、包括的な整合をもって制御し、しかも施行体系に繋げる手段の構築には、多くの試行錯誤に要する時間と頭脳的限界に逢着するのが常でありますし、膨大な作業量とその成果からリード要因を抽出して、クリティカルパスとして時系列的な複合的な理解をするためには、高度な判断と経験による支援が必要になってくるのは当然のことであります。
 この様に包括的課題をブレークダウンして、理解し易い身辺の課題まで絞り込まれたとき関係者の理解は高まり、対立する感情は消失し新しい創造の意義ある成果を喜んで受け入れるでしょう。包括して存在する課題を論理的に説明できるような思考の体系化を進め、その上で位置つけを明確化し細分化された因子と、対立していた因子との接合を進めることは、そこに生まれる多様な関係者の理解を深めることを容易にするからであります。
 それは包括的な課題の中の位置つけが明確になった細分化因子と同様にして得られた細分化因子とが、その背景に持つ感情的な意味や、歴史的な因果や様々な意味合いを理解されるために否定も肯定も早く裁断され、次なる対策も迅速に生まれるからであります。そこにある融合のあり方や対立点を明確に理解されることが、多様な選択肢をもって結論を導くのであります。
 複雑多様な技術的方針を定めるには、高度な専門家の強力な指導力が必須であるが如く言われている様々なデザイナーの世界にも言えることですが、これが一つの建築物や芸術的作品に関するときは別として、都市域や地球環境という重要な案件を対象とするときは、認識すべき領域の大きさや含まれている境界領域の多さなど思考の対象とし判断を要求される数の多さは、嫌でも多数の専門家の協働が必要になってきます。先に述べた医療分野の分割された診療科の専門分化の大きさに見られるとおりであります。
 集団的な意志決定を適正に行わなければならない技術的社会の民主的決定には、これはどうしても超えなければならない思考判断のプロトコル化であり、これと連携する思考判断のシステムであります。討議すべき規範となる知識ではない、円滑に通過しなければ認可出来ない思考構造パターンのあり方に関する合意こそ、現状打破の重要な手掛かりになるのではないかと思います。

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