航図なき国際社会の“新フロンティア”-日本の国際貢献
4.対立から融合による創造のプロトコル化
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先進諸国は、その役割として大地から起ち上がってくる新時代を象徴するエネルギーに対して、先賢が策定される数々のガイド・ラインを素材として現実化できるように工夫され、あらゆる制御を試みつつ、人間の進化のための灯明から燃え上がる炎にまで育てあげて、これを理解可能な形にしてゆく重要な役割を持っているものと思います。
ここ数世紀の時代を超えて展開されつつある客観的科学の働きを更に拡大し、全く反対方向といっても良い主観的な意志の領域を、必要に応じて果断に拡大するのであります。即ち今までの客観的指向性のつよい科学技術分野を肯定しつつ、主観的領域との接点に切り込み、主観科学にも強い客観科学的思考への弁証法的な反転を進めるべき意志を示すときが来たのであります。 そして人間の物質的指向性のつよい時代を超え、世界の趨勢に不調和な国々にも自らに勝利する道を開くのであります。
思考のためのプロトコルとは、特定の複雑課題を解くために集まった多くの専門家たちが協働するためにコミュニケーションを行ううえでの「約束事」のことをいうものであり、コンピューターのそれとは現段階では質的に異なるものであります。コンピューター同士のコミュニケーションでは厳密に「約束事」に則っていなければネットワークは働きませんが、専門家間のコミュニケーションでは「約束事」からある程度ずれている場合でも知能、応用力、理解力等によって、コミュニケーションは成立するでしょう。
しかしここに言う思考プロトコルの多様な展開は、都市に発生する困難な現象や、国際的な社会現象に対応して行われるものですから、詳細部分の接合点といっても機械に比べれば接点の巾は幅広いものがありますが、対立点になったときには極めて詳細を究めることになります。
新設する道路の方位や復員は、接道する敷地の価値を変化させますが、この関係は多次式になるために多くの解をもたらします。そこで発生する討議はお互いの物わかりの程度にまで遡り、対立を呼び、その対立は伝播して事態は留まるところをなくしてしまいます。
ここで関係する要因を熟知し、思考の手順や思考のシステムを理解した上で、関係因子と対立因子の背景にある感情を読破した上の融合を試みるとき、新しい世界が生まれ新しい理解が、感動を生んでいきます。ここに事象や形態の後ろにある人間の思いの重要性があります。
それは数世紀を要して花が咲きかけた科学技術の進化の上に、更なる人間の意志や主観的な対応を含めることによって更なる進化を積み上げる人間の進化に架ける大きな臨界点にきたのだと考えるべきと思います。この臨界点に到達したこのときに当たって、物質の本質に迫る多くの研究が進んでいることを重く聞き取るのであります。量子力学や数学的な知見が、物質的な領域に切り込みを入れ、世の中に実在する種々の複雑な現象を記述する数学的モデリングのための基礎研究と応用研究を推進しておられる、これらの方々と生命科学や社会的な科学とが同志のような思いで手を組んで、私たちは航図なき国際社会に正しい歴史的な大転換を果たすべく、そのための鍬をふるって開墾の手を入れ究極の知恵と愛をもって耕しつづける覚悟を決めるのであります。