地球社会における新文明への耕作活動へ

日本の国際貢献 Japan's international contribution

日本の国際貢献 目次一覧

<目次>

(*1)
ここに展開しようとしている議論は、日本の世論にはあまり登場しない議論かも知れません。しかし地球人類社会という重要な未来像を考えずして、日本の未来を論ずることは出来ないことも事実です。このような立場も欠くべからざるものとして俎上にのせています。
 世界は秩序と正義を見失っています。ここに述べる論旨の中核をなすものは、見失ったものを再発見するには、原点に回帰するのが最も早いのですが、ここでは人間に立ち戻り進化の道筋を追うことで今の位置つけを探ろうとしています。そこに見えてくるものが本物かどうかは、お読みいただく方々の良心に問うてみて頂くほかはありません。


(*2)公の父性
公共は英語の public の訳語として用いられている。この意味での公共すなわち公的領域は、私的領域に対立して人間生活の一半を構成する。それが典型的に成立したのは、ギリシアのポリスにおいてであった。H.アレントによれば、公的なものとは、万人によって見られ、聞かれ、かつ評価される存在を意味する。いいかえれば、それは人々が見る、聞く、評価するなどの主体的行動を通じて、ものごとの価値を問いうることを意味している。すなわち、公的なものとは、その意味や価値が万人の自発的参加を通じて判断される存在である。同時に、公的なものとは人々の共通の関心の対象でもある。かくて公共とは、公開性あるいは参加可能性と共通性とによって構築された世界である。こうした公共の世界は、人々の参加行動を可能にする共有空間を含んでいる必要がある。
(平凡社百科事典より)
下表は、領域を拡大して地球人類社会を対象とした公の父性に関する普遍化の引き出しを作成しようと試みたものであって充分なものではない。今後、実証的な研究に支えられて定義が進んでゆくことが望まれる。




人口の殆どが都市生活になった現代では、公共すなわち都市における公的領域は、私的領域に対立して人間の生活における重要な一半を構成するようになっている。
近代都市において公共は概念としては存在しているが、道路、公園、公開空地などを除いてその実体的基盤は失われつつあり、多方面から問題化されている。そのような状況の中でも欧米における公共は、「公開性や共通性」を重視することによって、個別的関心事との連続性を保持しているが、日本における公共は、逆に個人の集団への埋没を特徴とするようになり、これに対して人間意識の向上という新しい思想と地域の伝統つくりに解決を求める声が高くなっている。

公の父性とは、公共が果たすべき公開性や共通性の内、父性をもって定めるべき判断基準をいい、公開性や共通性の対象となる社会的な大きさ例えば、地域コミュニティを対象とする場合と国家や民族を対象として、或いは地球人類社会によってあるべき公の父性を判定する場合とは、公開性や共通性、或いは価値観の変動を伴って大きな変化が認められる。その状況を公の母性並びに実用的な公共性とを対比して上表に示した。

国際社会が政治的にも、経済的にも両極性による軸性を明確にできず、秩序となる思想を失い、新しい基幹的発明からも遠のく現代社会には、公共的な凡ての面において父性的でありながら納得できる諸政策が重要になっている。


(*3)π結合( π bond)
π(パイ)結合とは本来は化学結合のあり方をいう。互いに結合する二つの原子を結ぶ方向にのびた価電子軌道の重なりによって形成される共有結合が σ 結合と呼ばれるのに対して、二つの原子を結ぶ方向と直交する方向にのびた価電子軌道の重なりによって形成される共有結合を π 結合と呼ぶ。
σ 結合に比較して,π 結合の電子は一般に低いエネルギーで励起あるいは放出される。とくに π 電子共役系が大きくなると,このような過程が低いエネルギーで起きる。σ結合に対してπ結合は与件に適応して自由な反応が可能である。この点を使用してここでは社会現象の説明に当てている。
ここでは、地域風土の特徴的特性、例えば放牧民の住む過酷であり、新たな選択肢の少ない風土から生まれるライフスタイル、それから生まれる価値観や宗教観と、多様な選択肢の残る農民の歴史的習慣や宗教的伝統とは著しく異なった表現系をもち、その状態を比準して説明するのに使用している。

地球の各地には人類の各進化の段階にみあった各民族が、定着を求めて移動しつつあった各根源種から進化の目的にあった環境を求めて定着した歴史を持っており、言わばσ結合の状態にあった世界各地の地域コミュニティにおける生活の中から、生活の改善を求めて地域風土に適応する自由な手を使いながら、言わばπ結合という自由手を保持することによって、適者生存のための多様性の発現という次なる人類の進化の道を確保するための行動であった。

地球人類社会が構築されるためには、そして人間惑星“地球生命体”が有効に構築されるためには、国家に属する人間や民族間に発生する課題に対処するにあたって、地球生命体の公の父性を重視して取捨選択を進めることになろうが、定着した自然風土という与件に適応して生き残り生々とと発展し続ける地域コミュニティのもつ多様性の確保は、地球生命体の進化という側面からもとくに重要な措置であるといえるだろう。


(*4)南と北 生存のための戦略(1980、日経新聞社)
ヴィリー・ブラント委員会報告 森治樹監訳


(*5)集団化五原則
ここで人類進化のための多様性を育む国家の集団であるべき地球人類社会の守られるべき原則を示す。
地球人類社会構築という集団化の遵守すべき原則
①集団化目標への理解と同意
融合の文化をもつ国家を始め、構成員国家の未来像、立地変動、国家の成立要件など尊厳ある生活、所得水準、創造的環境の成立基盤に関する集団化目標に具体的な理解が進み、そのために必要な意識分布にすすむための深い同意があること
②構成員による相互依存関係の認知
人間惑星における霊長たる人間として、地球生命体が進化する構成要素総体の環境を整え、地球生命体の存在が相互依存的である現実を理解すべき人間相互の意志を国家群が協働して認知し合い世界に集団的認知モデルを提示すること。この相互依存関係の認知を実現するために、社会弱者の尊厳保全に関する地域別の自助、共助、公助制度が必要であり、公の父性によって適切に設定されなければなりません。
③役割分担の徹底
人間惑星の構成員、構成要素の代表として国家群が必要とする「公の父性」を実務的基準に整備し、役割分担が構成員相互の自己組織化に必要な素養のもとに徹底されること
④貢献度の評価基準
人間惑星の構成員並びに構成要素たる凡ての執行を管理する組織的貢献性すなわち、地球人類社会の公の父性に対する貢献性によって評価する実務規範に同意すること
⑤同志意識の醸成
人間惑星を構成しようとする国家群は、その凡てのものが地球生命体と共に地球人類社会の同志であり尊厳ある任務達成の仲間であることを認め合うこと


(*6)認識限定則による近接領域への上昇と集団的な意識改革の起動子
人間惑星の基本波動を決める霊長である人間の適切な意識段階に到達するには、殆どの人間は未だ多くの道程を踏破しなければなりません。認識の限定則(普遍化のすすめ)によれば、まず推理力が届く近接領域まで、認識段階間の通訳が存在する組織、例えば地域コミュニティによる交流等を必要とするでしょう。そしてその中に集団的な認識向上を計りうる感動的な起動子が必要になります。これを組織的に分担する研究と討議によって協働成果が得られるまで昇華させてゆかねばなりません。


(*7)リアーゼ(Lyase) 除去付加酵素
除去付加酵素 リアーゼともいう。基質からある原子団をとり去って二重結合を残す反応,またはその逆方向の,二重結合に対する付加反応を触媒する酵素の総称。触媒する反応の種類によってさらにいくつかの類型にわけられる。


(*8)日本における騎馬民族王朝説
1948年以降、江上波夫氏は、中央ユーラシヤの遊牧騎馬民族ばかりではなく、北東アジアの半農半猟民系の騎馬民族の夫余や高句麗と関係ある北東アジア系の騎馬民族が,まず南朝鮮を支配し,やがてそれが任那を基地として北九州から畿内に進出して大和朝廷を樹立し,日本における最初の統一国家を実現したという説を唱え、畿内に樹立された征服王朝,騎馬民族国家が,その社会,政治,軍事,文化の各方面において,中央ユーラシアから東北アジアの騎馬民族国家のそれと,全体的に,かつ本質的に一致するといういわゆる〈騎馬民族日本征服説〉を唱えたのであります。江上波夫氏によってこのように騎馬民族王朝説が体系化された根拠は、
① 前期古墳文化と後期古墳文化とが、たがいに根本的に異質なものであること
② その変化がかなり急激で、両文化の間に自然な推移を認めがたいこと
③ 農耕民族は自己の伝統的文化に固執する性向が強く、他民族の文化を受け入れて、自己の伝統的文化の性格を変えてしまう傾向が極めてうすいこと
④ 後期古墳文化における東北アジア系の騎馬民族文化は、大陸および朝鮮半島のそれと全く共通していること
⑤ 弥生文化・前期古墳文化の時代に、馬牛の少なかった日本が、後期古墳文化の時代になると、急に多数の馬匹を飼養しはじめ、これは騎馬を常習していた民族が馬をともなって日本に渡来したとみなければ不自然なこと
⑥ 後期古墳文化が王侯貴族的、騎馬民族的な文化で日本の統合が進みその文化が広まったと思われること
⑦ 後期古墳の濃厚な分布地域が,軍事的要地とみとめられているところに多いこと
⑧ 一般に騎馬民族は陸上における征服活動だけにかぎらず、海上を渡っても征服欲をみたそうとする例が多いから、南朝鮮まで騎馬民族の征服活動が及んだ場合には、当然日本への侵入もありえたこと

などがあげられています。騎馬民族説を文献の面から検証する作業は,応神天皇が九州より起こって畿内に入り,新しい王朝を樹立したように考えられることなどによって試みられているが、前期古墳と後期古墳とは断絶しているものではないこと、騎馬民族的文化の受容は、倭の王者と朝鮮半島の王者との通交によっても生じうることなどによって、騎馬民族説に疑問をいだいている者もおり、なお確固たる学説とはなっていません。

 そしてユーラシヤ大陸の草原地域には、騎馬遊牧民であるスキタイを始め、サルマート、バール等、中央にサカ族(サカイ族)、烏孫(うそん)、カザフなど、東方には匈奴、鮮卑、突厥、ウイグル、契丹、モンゴルなどの遊牧騎馬民族が展開しており、このような遊牧騎馬民族の誕生は、紀元前7世紀ころのスキタイに求められるとされている。

しかし、中国西部のタリム盆地におけるミイラや墳墓の考古学的研究が進んでおり、当地の墳墓から発見されたタータンチェックのデザインやその風俗やDNA分析など諸方面からの検討によって、この説の是非が今後も論議されてゆくものと思われる。そしてヨーロッパにおけるケルト族の展開との関係も徐々に解明されるものと思われる。


(*9)The Tarim Mummies: J.P.Mallory Victor H.Mair(Thames & Hudson)


(*10) ゼット転換:Z字型の入り口の軸性と大きく軸性を替えた出口を持つ転換を示す。別の効果を実現するための軸性を替えた出口を示すような転換の方法を示している。


(*11)江上波夫の日本古代史―騎馬民族説45年:
大和朝廷の成立と日本列島の統一が、朝鮮半島南部の任那(加羅)を拠点として移動してきた東北アジア系の騎馬民族の征服によるものであろうとする提説は、45年あまりを経て、もはや完全に立証されるに至ったと確信する。(江上氏)


(*12) 理念経済
動植物の食物連鎖に見られる生存競争に代表される競争原理は、勝者と敗者の結末は終局のところ一体的であり、決定的な勝者の存在は許されていません。それでも個別な闘争よりも集団による物的内的な進化への貢献性の評価は高く認知されているといってよいと思います。つまり貢献性の評価は物的なところから内的な部分に拡大しており、結果として生存競争には個によるばかりではなく、集団による競争も含まれることになっています。

集団による競争の場合は、集団目的の相互依存性の認知度によって、集団の目標達成率が大きく変動するのは当然のことですが、動物種族によっての競争が物的な限定を超えて集団性という内的課題にまで拡大しているということは、有限性による国際的課題の制御が人間の尊厳を維持し与えられた進化の道を達成すべき現実的な領域では働かないという意味で、国際的な競争の原理としては、市場原理そのものは不適当ではないかと考えられます。

つまり市場経済という原理は、この不公平さをただすべく、着手時期、基盤整備、事業規模、あるいは事業分野、人間の尊厳性など貢献領域等によってハンディキャップをつけるべきであり、国際的にも企業間にも自由と平等のための公正な取引に関する自律すべき正当な措置が必要であります。況や人間惑星として地球人類社会のあるべき現実像を模索する現代には、これを市場経済の対極として理念経済の心となすべきと考えます。


(*13) ゲームの理論のコア
与えられた状況のもとで、プレーヤーがどのような行動基準にもとづいて行動するかによって、さまざまな解の概念がある。どの提携をとってみても、その提携のメンバーの受けとる利得の和がその提携の提携値をこえているような利得分配の集合をコアといい、済学では広く用いられていて、市場の取引の結果はコアに属することが知られている。
ゲーム理論とは、簡単にいえば、1組のルールによって定義された対象に関する数学の一分野であるが,その内容は広い領域にわたって深いものをもっている。同じくゲームから出発した確率論を意思決定理論という面で比較すると、確率論はただ一人の意思決定主体が偶然事象に直面したときの意思決定に関する理論であるのに対して、ゲーム理論は複数の意思決定主体が相互依存の関係にあるときの意思決定に関する理論である。ゲーム理論は自由な自立的な人間を前提として,その相互依存関係のもとでの意思決定,行動,効用などを考える人間関係の数学的理論であり,それを通して社会の構造を明確に認識することができる。すなわち、ゲーム理論は社会認識のための数学的理論である。
 したがって、それは単に数学の一分野というだけでなく、哲学、倫理学などの人文科学、社会学、政治学、経済学、経営学などの社会科学をはじめとして、統計学、情報科学、オペレーションズ・リサーチ、計画学、その他の理学や工学の基礎理論として重要な役割を担っている。例えば,経済学においては、投票の理論や、公共財の供給やその費用負担を中心とする社会的選択理論、寡占市場を出発点とする市場理論や一般均衡理論などは、ゲーム理論によって厳密に基礎づけられることによって初めてその構造が明確になったということができる。このように広い分野で重要性が認識されるに伴い、20世紀における最も重要な科学的貢献の一つといわれている。(平凡社並びにその他百科事典等より)


(*14) LD50 50% Lethal Dose 半数致死量
Limiting of death 50%ともいう。半数致死量のこと。化学物質や各種の放射線等を細菌、微生物、或いはラット、モルモットなどの実験動物に投与した場合に、その実験動物の半数が試験期間内に死亡する用量のことで、投与した動物の50%が死亡する用量を体重当たりの量(mg/kg)としてあらわしたもの。化学物質の急性毒性の強さをあらわす代表的指標として利用される。
最近では環境要件を模索する指標として使用されることが多いが、多くの病院における院内感染の主因となる抗生物質耐性菌の発現条件に関する研究や、新しい抗生剤生産菌種の改善等に用いられる毒性剤や放射能による殺菌条件を示す指標としても使用される。
実際には、動物実験のデータから用量-死亡率のグラフを描き、死亡率50%に相当する用量(LD50)を求める。50%値が用いられる理由は、統計学的に最もばらつきが小さいからである。この統計学的にばらつきが少ない点には、インテリジェント・デザインの意図が感じられる。

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